第百二十段:南海トラフ巨大地震に備える⑨

 緊急地震速報が出されて、被害をもたらす強い揺れのS波が宇部に来るまでに50秒近くの時間がある、そしてこの時間内に身を守る行動をとればいい、と先週書きました。

 

 地震によってケガをしたり命を落としたりする理由は、大きく分けて3つです。
 3つであれば、だいぶ物覚えが悪くなった私の同年輩の方でも、まず覚えられますよね。

 

 その1、すでに書きましたが、津波。
 海岸、あるいは河口付近にいて地震の揺れを感じて、あるいは緊急地震速報を聞いたらすに高いところに避難する。
 そうすれば、だれもケガをすることはありません。
 その時間は十分にあります。

 

 その2、火事。
 火を使っていて緊急地震速報を聞いたら、すぐに火を消しましょう。
 できれば揺れが来る前に。
 事情があってすぐ消せずに揺れがやってきたら、慌てて火を消さずに(火傷をする恐れがあります)、動けるようになって落ち着いて火を消しましょう。
 天井に火が移る前でしたら大丈夫です。

 

 その3、落ちてくるモノ、飛んでくるモノ、倒れてくるモノ。
 家屋の倒壊、土砂災害もこの範疇に入ります。
 起きていれば何とかなりますが、寝ている時に地震が起こると危険です。
 ですから寝室は熟睡している時に地震が起こっても大丈夫なように、安全な場所にしておきましょう。
 具体的には、家具が倒れたり、テレビなど電気製品が飛んでこないように、固定をしたり、配置を考えたり、もしベッドで寝ていれば、ベッドより低い位置にものを置くなどの工夫をしましょう。

 

第百二十段:南海トラフ巨大地震に備える⑨

 

 写真は東日本大震災を仙台で経験した私の次男が、地震後に撮ってくれたマンションの部屋の中の様子です。
 ぐしゃぐしゃです。
 地震は午後2時46分でしたので、だれもケガをすることはありませんでした。
 地震が深夜でも次男一家はだれもケガをすることはなかったでしょう。
 寝室には布団以外何も置いていなかったからです。

 

 実は、私は忘れていたのですが、次男一家が仙台へ転勤で引っ越したときに、「仙台には近いうちに地震が必ずやって来るから、寝室には何も置かないように。」と言ったそうです。
 次男はそれを守っていたんだそうです。

 

 

 


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