第百三十九段:「線状降水帯」と「顕著な大雨に関する気象情報」
現在(7月12日)私はフィリピンのマニラに出張しています。
マニラは今雨期です。
ただ雨季といっても日本の梅雨のように雨が降り続くのではなく、一日の大半は晴れていて、夕方から夜にかけて激しい雨が降る、というそんな日々です。
ここ数日、日本は、特に九州・山口は連日大雨で、被害も相当出ているということで、大変心配しています。
実は、マニラのホテルのテレビでNHKのニュースを見ようとしたのですが、BBCやCNNなどは当然見ることができ、韓国や中国語の放送もあるのですが、日本語の放送がありません。
これはショックでした。
このことはまた別にどこかで書くことにし、インターネットで気象庁の「キキクル」などで豪雨の状況を見ています。
それによると線状降水帯が九州では連日発生しているようです。
実はこの線状降水帯、きちんと定義されていて、以下の4つの条件がすべて満たされたときに線状降水帯が発生したとして、「顕著な大雨に関する気象情報」が発表されます。
条件① 5kmメッシュ(5kmx5㎞の四角いエリア)ごとに雨量計やレーダーを使って降水量が求められ、その時刻の前3時間の積算降水量が100mm以上となる領域面積が500km2以上。
条件② ①の領域の形状が線状(長軸・短軸比2.5以上の楕円形)である。
条件③ ①の領域内の前3時間の積算降水量の最大値が150mm以上。
条件④ ①の領域内の大雨警報(土砂災害)の危険度分布(土砂キキクル)が、土砂災害警戒情報の基準を実況で大きく超過、または、洪水警報の危険度分布(洪水キキクル)が、警報基準を実況で大きく超過。(多少簡単に書いています)
すなわち「顕著な大雨に関する気象情報」は、上記の4つの条件が満たされたときに、非常に激しい雨が同じ場所で降り続くことによって、土砂災害や洪水など、災害発生の危険度が急激に高まっている状況を、『線状降水帯』というキーワードを使って提供される情報です。
災害に備える準備や避難の時間は十分にない、つまり、出されたときにはすでに危険が差し迫っている状況です。
換言すれば、大雨警戒レベル「4“相当以上”」の状況で、その地域の人々は既に全員が避難完了していることが求められるような状況に相当します。