第二百二十六段:ミャンマーの地震①

 3月28日(金)の日本時間15:20、ミャンマー中部でマグニチュード7.7の地震が発生しました。
 震源地は同国二番目の都市マンダレー近郊で、震源の深さは約10kmと推定されています。

 

 震源が浅かったということもあり、震源地付近の揺れの強さは、海外の震度である修正メルカリ震度で9、日本の気象庁震度階では6弱~強に相当すると考えられる非常に強いものでした。
 ミャンマーやタイでは多くの被害が報告されています。
 この原稿を書いている4月2日朝のNHKのニュースでは、ミャンマーの犠牲者は2,700人を超え、さらに増える見込みとのことです。

 

 日本ではあまり知られていませんが、ミャンマーは日本と同様、地震の多発国です。

 

第二百二十六段:ミャンマーの地震①

 

 図‐1は2011年~2021年の間に世界で起こったM5以上の地震の分布です。地震の起こった場所はきれいに帯状になっていて、この帯はプレートとプレートの境界と一致していることが分かります。

 

 図中のだ円はミャンマーの位置を示していますが、これよりミャンマーはインド・オーストラリアプレートとユーラシアプレートの境界にあることが分かります。

 

第二百二十六段:ミャンマーの地震①

 

 そして図‐2に示すように国のほぼ中央を両プレートの境界に沿ってザガイン断層帯が縦断しています。
 この断層帯は非常に長く1000~1200㎞に及ぶとされています。
 図に示してあるように過去にも多くの地震がこの断層帯に沿って起こっています。

 

 このように地震多発国でありながら、残念ながら建物の耐震性は低いと言わざるを得ません。
 皆さんテレビで被害を受けたビルの映像を見て気づかれたと思いますが、鉄筋の量が少なく、また細い、しかも耐震性に非常に重要な役割を果たすフープ筋という鉄筋を束ねる鉄筋がほとんで見られません。
 建物に耐震性を持たせるには経済力が必要なのです。
 内戦の続くミャンマーのもう一つの悲劇と言えるでしょう。

 

 約1000㎞離れたタイでも大きな被害が発生しました。
 来週はなぜタイでも大きな被害が発生したのかを考えてみたいと思います。

 

 

前の記事へ                              次の記事へ

 


トップへ戻る