第二百四十二段:トカラ列島の群発地震
6月21日より鹿児島県のトカラ列島で群発地震が続いています(図-1)。

気象庁によると6月21日から7月16日16時の間に起こった震度1以上の地震の数は2117回、その間の最大震度は7月3日の震度6弱です。
震度5強が3回、震度5弱が4回、震度4は51回となっています。
一部の人たちは鹿児島市に避難するなど、島民の人たちは大変不安な日を送っておられます。

群発地震の起こっているこの海域は(図-2)に示すようにユーラシアプレートの下にフィリピン海プレートが潜り込んで、常に圧力(図では応力)を加え続けているところです。
その意味では巨大地震が心配されている南海トラフと共通点がありますが、メカニズムは少し違うようです。
この海域の海底地震に詳しい横瀬久芳先生(熊本大学大学院先端科学研究部准教授)の説明によると、今回の群発地震のメカニズムは以下の様です。
「フィリピン海プレートが奄美海台ごともぐり込む際、ユーラシアプレート側の地殻は上にめくれ上がったり、左右に引きちぎられたり、海台がユーラシア大陸の岩盤にひっかかって横に引っ張られたりして、海台の周囲には様々な方向に複雑なひずみが生じます。
沈み込むスピードは1年間で6センチに過ぎず、ユーラシアプレート側の地殻はすぐには割れずに伸び縮みしてひずみを吸収しますが、常にひずみがたまりやすい所には大きな横ずれ断層ができて、地殻内の活断層として壊れ続けるようになります。」
(くらしのなかに防災ニッポンより)
今回のトカラ群発地震と南海トラフ巨大地震との関係をよく聞かれます。
南海トラフ巨大地震もすぐに起こるのではないか、と。
それに対して私は次のように答えています。
「メカニズムが違い、距離もだいぶあるので、直接の関係はないと考えられ、すぐに南海トラフ巨大地震発生に結びつくとは思いません。
ただ、熊本地震、能登半島地震、日向灘地震など、M7クラスの地震が頻発しており、西日本は相当ストレスがたまっていて、トカラの群発地震もストレスがたまっている表れと考えられます。
だから南海トラフ巨大地震はそう遠くなく、しっかりと備えることが必要です。」

