第二百四十八段:温室効果ガスの増加
先週は北緯80°から南緯80°までのガスの濃度が1985年から2024年までの間に約1.2倍に増加していることを紹介しました。
実はこのような観測にはJAXAの衛星が大きく貢献しています。
温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(Greenhouse gases Observing SATellite:GOSAT)、GOSAT-2、GOSAT-GWの「GOSATシリーズ」です。
GOSATは2009年1月23日に打ち上げられ、現在も観測中です。
いろいと故障を抱えながらも16年以上にわたって観測を続けています。
その姿にはただただ頭が下がります。
GOSATは約100分で地球を一周しながら、ひとつのセンサで地球表面のほぼ全体にわたって温室効果ガスを測定しています。
図-1は細かくて恐縮ですが、GOSATの軌道と観測点を表しています。

その観測点は5万6000点。
世界各地の温室効果ガスの増減を高い精度で観測することができます。
いつどこで観測したかが“高い精度”で分かりますので、どこかの国が公式に発表している排出量が本当かウソかはすぐバレます。
GOSAT-2は2018年10月29日に、GOSAT-GWは2025年6月29日に打ち上げられました。
GOSATは観測するときは1点ですが、GOSAT-2は複数の点を同時に、GOSAT-GWは面で観測をします。
したがって空間分布と精度はますます高くなっています。
これらの成果をまとめたのが図-2に示す世界の温室効果ガス濃度の変化です。

波があるのは季節の変化ですが、確実に右肩上がり、温室効果ガスは増えています。
これらのデータは公表され、特に地球環境に関する分野では誰でも知っていることです。
どこかの国の大統領は
「温室効果ガスが増えているのはフェイクニュースだ。石炭、石油をどんどん掘れ」
と言っていますが、知っていながらそう言っているに違いありません。
本当に困ったものです。
次回以降は温度上昇のことを書く予定ですが、「本当に困ったものです」、と言っている段階ではないようです。

